高齢者に多い睡眠中の足の痛みや足がつる原因
足がつると、驚いて暴れるほどの痛みが走りますよね。ぐっすり眠っているときでも飛び起きるほどの痛みを伴うこの症状、いったいどんなメカニズムで起こっているのでしょうか。
普段私たちが歩いたり座ったり、ご飯を食べたり、運動をしたりする際に手足を動かすときは、脳がそのように筋肉を動かすための指令を出しています。ところが何らかの原因によって指令が出ていないのに筋肉が異常に収縮し、痙攣してしまうことがあります。これが「足がつった」状態です。
足の指や足の裏、背中、首の裏などがつることもありますが、最も多いのはふくらはぎです。体験的にもふくらはぎがつった経験が最も多いような気がしますね。このようにいろいろな場所の筋肉が異常収縮するのは、血液中のミネラル不足や水分不足、筋肉疲労、冷えなどが原因であると言われています。
高齢になるとつりやすくなる理由
「足がよくつるようになった」と話す高齢者の方は多いようですね。若くても激しい運動をした後や、手足が急激に冷えた後なんかに足がつることがあると思いますが、歳をとると夜中に足がつって目が覚めることが増えてきます。
高齢者がよく足がつるようになるのは、筋肉量が減ることによって血流が弱まり、血液から細胞への栄養補給が十分に行われなくなるからだと言われています。栄養補給が十分でなくなることによって慢性的なミネラル不足になり、ミネラルは神経や筋肉の動きを調整する働きを持っているので、これが不足することで足がつる頻度が増えるというわけです。
その他にも、筋肉が異常収縮する原因として上げられている冷えや水分不足は高齢者に多い症状でもありますね。また寝ているときに足がつるのは睡眠中に汗をかくことで体内の水分とミネラルが一気に不足するためで、これは年齢に関わらず若い世代にも起こることです。しかし高齢者はそもそも水分やミネラルが不足した状態であることが多いため、夜中にそれらがさらに不足することで特に頻繁に夜中に足がつるようになります。

あまりにつりやすいときに疑わしい病気とは?
上記のような理由によって足がつることが増えた場合は、意識して体を動かすようにして筋肉量を増やす、ミネラルをしっかり補給する、十分な水分を摂る、といった対策により改善が期待できます。
しかし注意すべきは、足がつるという現象の背後に大きな病気が隠れている場合です。糖尿病や腎疾患、椎間板ヘルニア、動脈硬化、脳梗塞などの病気にかかっている場合にも足がつるなどの症状が表れることがあります。仮にそういった原因で足がつっている場合に病院へ行かず、自分で治そうと努力してしまってはせっかくのサインを見逃してしまうことになり、その間にも病気が進行してしまう恐れがあります。
足が頻繁につる以外にも手足がしびれる、むくむ、歩くと足がもつれる、ろれつが回らないといった他の症状も出ている場合や、水分やミネラルをしっかり摂って運動もしているのに依然として足がつるという場合には、一度病院で診察を受けるようにするといいと思います。
