高齢者の足のむくみと糖尿病の関係
糖尿病とは?
糖尿病とは、膵臓で分泌されるインスリンの量が少ない、または働きが悪いなどの原因によって血液中の糖度が高くなる病気です。糖尿病には1型糖尿病・2型糖尿病・妊娠糖尿病・その他の4種類がありますが、日本糖尿病学会の『糖尿病治療の手びき』によると、日本では糖尿病患者の約90%が2型糖尿病だそうです。
2型糖尿病とは、脂質の高いものの食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスなどによって起こるとされている生活習慣病の1つ。喉が渇きやすくなる、水分を大量摂取するようになる、尿量が増える、体重が減る、疲れやすくなる、などの自覚症状が表れますが、こういった症状が出ていなくても糖尿病を発症しているケースは多く見られます。そのため、早期発見には血糖値を定期的にチェックすることが重要です。
糖尿病は初期であれば運動や食事制限によって血糖値をコントロールするといった治療を進めますが、進行してくると内服薬およびインスリン注射が必要になります。

糖尿病でむくみが悪化する?
糖尿病の人の血液は、血中の糖度すなわち血糖値が高くなった状態であるため、健康な人の血液と比べてドロッとしています。血液がドロドロになると当然流れが悪くなり、血管が詰まりやすくなるため、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こしやすくなると言われていますね。
ドロドロの液体が重力に逆らってポンプや筋収縮の力で足から心臓まで上っていくのはとても大変そうですよね。そのため、糖尿病になると血流が著しく悪化して足がむくみやすくなります。またそのドロドロの血液は腎臓のろ過機能も低下させてしまうため、糖尿病の合併症で腎疾患にかかる人も多くいるそうです。そして腎臓が悪くなると体内の水分調整がうまくいかなくなり、そこでもまた足のむくみが発生しやすくなります。つまり、糖尿病は多角的にむくみを生み出すシステムが整っていると言えるわけですね。
塩分の摂り過ぎに注意
糖尿病はその病名から甘い物の食べ過ぎで発症する、と思っている人もいるかもしれません。実際に糖尿病を引き起こす要因としては、どちらかというと甘いものよりも脂質、あるいは食べる速度、食べる量、食べるタイミングなど挙げられていますが、甘い物の食べ過ぎは肥満やメタボを招くので、間接的に糖尿病の一因と言えなくもないでしょう。
しかしそれよりも気をつけるべきは実は塩分。仮に血糖値が高いだけかと思っていたら知らない間に糖尿病にかかっていたとすると、糖尿病は先ほどもご説明したように血液がドロドロになる病気であるため、すでに血管に負担がかかりやすい状態になっていると言えますよね。そこへ塩分を摂り過ぎてしまうと高血圧になるため、血管への負荷はさらに高まります。その結果、相乗効果として動脈硬化などの血管に関わる合併症を併発するリスクがぐんと上がってしまうのです。
また、塩分の摂り過ぎはむくみの大敵でもありますよね。つまり糖尿病が関連していなくてもむくみが起こっているなら塩分は控えめにすべきであり、さらに糖尿病にかかっているならなおさら塩分の摂取量には注意が必要ということなのです。
